ISディジタル辞典-重要用語の基礎知識-第二版

ラーニングユニット

ラーニングユニット

Learning unit

概要

教育設計のために考えられた教育項目ごとの目的・目標・専門知識などをまとめた学習単位。

説明

ラーニングユニット(LU)は,ガニエ(Gagne)が提唱した概念で,その背景にはブルーム(Bloom)の知識やスキルに関する6段階レベルがある。LUは教育システムの構成要素として,学習項目ごとに作成される。学習項目は時間単位ではなく,教育目的ごとにまとめられる。一つの教育目的には,一つ以上の目標をおくことができる。つまり,LUの作成では,教育目的を定め,関係する知識項目とそれぞれの達成レベルを列挙し,さらに複数の学習目標をおいている。LUの利用方法は多様である。たとえば,作成されたLUに名前をつけて蓄積しておくことで,科目の展開やコース編成の際に利用できる。LUには知識項目とそのレベルが明示されるために,学習者の質保証にも活用できる。LUを中心に編成したカリキュラムでは,科目間での教授内容の重複や,重要な項目の欠落なども見つけやすい。

参考文献

  1. Bloom, Benjamin S. (Ed.): The Taxonomy of Educational Objectives: Classification of Educational Goals. Handbook 1: The Cognitive Domain, McKay Press , New York (1956).
  2. Gagne, R. M., Briggs, L. J.,  and Wager, W. W.: Principles of Instructional Design, Third Edition, Holt, Rinehart, and Winston,  New York (1988).
  3. 浦昭二,細野公男,神沼靖子,宮川裕之:情報システム学へのいざない,培風館 (1998).
  4. 情報処理学会情報システム教育委員会:J07-ISカリキュラム, 入手先<http://open.shonan.bunkyo.ac.jp/~miyagawa/is/isecom/material/>.