概念モデリング

ガイネンモデリング

Conceptual modeling

概要

Universe of Discourse(UoD，談話領域)に対する観察者の解釈を構造的に記述する過程。

説明

ハードシステムに対するモデルは一般的に扱うことができるが，ソフトシステムに対しては，仮定したある1人の観察者が対象について認識した概念の構造をモデルとして合意する方法を採ることになる。そのようなモデルを，Wilson¹⁾は「ある人間にとっての，ある状況，あるいは状況についての概念(idea)の明示的な解釈(explicit interpretation)」と述べている。個人の認識のモデルは，認知心理学の分野では，Collins and Quillian(1969)の階層的な知識構造やRumelhart, et al(1972)の知識構造ネットワーク，Johnson-Laird(1983)のメンタルモデルなど，古くから研究されてきた。情報処理の分野では，ANSI/X3/SPARCの3層スキーマ(1975)でいう概念スキーマやChenのER図(1976)などのデータベースの論理構造のモデルから発展して，オブジェクト指向のクラス図を経て，Odellの型図(1998)のように，概念構造のモデリングとその実装であるべきデータのモデリングとの関わりが模索されてきた。

参考文献

1. Wilson, B.: Systems: Concepts, Methodologies, and Applications (2nd Ed.), Wiley (1990).