情報システムの目的
ジョウホウシステムノモクテキ
Objectives of information system
概要
社会や組織,および個人が何のために,あるいは何を改善するために情報システムを開発し,利用するのかという目的。
説明
情報システムの開発・導入は影響を受ける関係者が多いため,関係者の認識を共通化するために目的を明確化する。情報システムの目的はかつて,給与計算・生産工程の合理化等の個々の業務の直接的効率化であった。やがて情報システムの企業業務への浸透・技術的な進歩に伴い,業務全体を空間的・時間的な観点から合理化する全体最適化を目的とするようになった。企業の「中のしくみ」の合理化であるといえる。一方,情報システムは組織活動の改善サイクル(PDCA)のコックピット的な役割を果たすことで投資対効果(ROI)の向上目的や内部監査,更にはビジネスモデル実行手段としての役割を持つことで企業戦略実現を目的とする事例も増えている。この側面は組織の「外へのしかけ」の実現であるといえる。情報システムは時代の要請・技術の進化に伴って,その目的が変化してきている。
最終更新日
- 2019.12.01.
- 杉浦充,青木美代子 (編集委員会編)