問題把握
モンダイハアク
Problem acquisition
概要
漠然とした問題の意識からその実態を把握すること。
説明
把握する問題は,科学技術で解決すべき事柄から組織や人間活動の問題まで広く存在する。把握は問題の本質を理解することであり,問題を把握する行為では,問題状況の調査・分析によって曖昧なイメージを明確化する。問題の把握では,複雑な全体像を単純なモデルに分割して明確化することが多いが,人間活動の問題にはいろいろな要素が絡み合っているために分割することは容易でない。しかも複雑な問題の多くは周りの状況に包まれたまま本質を見せていないことが多いため,人間が問題意識を持ったからといって問題を把握できるわけではないし,表面に見えている問題的事項が不具合の本質的な原因であるともいえない。実際に見えているものはほんの一部にすぎないことが多いからである。人間重視の情報システムの問題解決では,要件を定義する場面で問題を把握する行為が重要とされる。
最終更新日
- 2019.12.01.
- 神沼靖子 (編集委員会編)