ISディジタル辞典-重要用語の基礎知識-第二版

ICカード自動出改札システム

アイシーカードジドウシュツカイサツシステム

Smart card automatic ticketing system

概要

ICカードを用いて自動的に利用者の出改札を行うシステム。

説明

鉄道における自動出改札システムは,乗車券の販売業務や駅係員の改札業務などを効率化するためのものとして開発が進められてきた。最初は乗車券に磁気塗料を塗布し磁化の方向で情報を記録する方式で,情報の読み書きのために磁気ヘッドを接触させることから,特に改札機においては複雑な乗車券搬送機構,機械的動作によるメンテナンスの増大,乗車券を投入するというユーザインタフェース上の問題,低いセキュリティレベルなどの課題があった。これらを解決するために開発されたのが,ICカード自動出改札システムである。実用化されたカードは,無電池で10cm程度の通信距離をもつ非接触型のもので,情報の読み出し,有効性判定,情報の更新・確認という処理を利用者の改札機の通過を阻害しない速度で実行できる。当初は定期券とストアードフェアの機能のみであったが,指定席券への適用,携帯電話の活用,他交通機関との相互利用,電子マネーとしての利用と鉄道を越えて発展を続けている。日本では2001年にJR東日本のSuicaとして初めて実用化されたが,世界的には香港の地下鉄,バス等の共通カードとして1997年に導入されたカードが最初である。