エンタープライズアーキテクチャ
エンタープライズアーキテクチャ
Enterprise architecture
概要
エンタープライズ(企業または政府や府省,自治体などの組織)の粒度で設定したアーキテクチャ原則。
説明
企業や組織内の個別の情報システムが相互に連携して動くようになると,個別のシステムごとに考えられていたアーキテクチャについて,システムの集合体(上位システム)であるエンタープライズ(企業)のレベルで中長期的に論ずる必要が出てきた。EAのモデルとして,1999年にアメリカ合衆国連邦政府のFEAF(Federal Enterprise Architecture Framework)がある。FEAFはアメリカ合衆国連邦政府および州政府の参照モデルであるだけでなく,経済産業省が策定した日本版EA(「業務・システム最適化計画」)フレームワークの下敷きにもなっている。FEAFは2013年1月にVersion 2がリリースされ,日本国政府は2018年3月に「デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン」・「解説書」なる補足資料をリリースした。
EAを議論する場合には,その対象であるエンタープライズのスコープを定義することが重要である。エンタープライズは,FEAFでは「定義されたビジネススコープと使命をサポートする組織または組織にまたがる実体」と定義されている。特に「最適化」の要件は,対象領域や適用時点が異なると,その実現形態や関心事は大きく異なってくる。このため,アーキテクチャ原則からなるリポジトリを設けて,個々のプロジェクトが対象領域に合わせて選択できるようにする。Open Groupは,TOGAF(The Open Group Architecture Framework)として,アーキテクチャ原則とリポジトリについての具体的なフレームワークを提供している。2018年3月にVersion 9.2をリリースしている。
最終更新日
- 2019.12.01.
- 児玉公信 (編集委員会編)