システム思考
システムシコウ
Systems thinking
概要
複雑な現実の問題に対処するために,その問題状況をシステムとして解釈する思考態度。
説明
分析的アプローチでは,状況を分解して原因を追及し,原因を除去することで問題の解決を図るが,システムアプローチでは,全体の問題状況をモデル化してとらえ,その上で解決策を検討し,実施し,その結果を評価して,再度,問題状況をモデル化してとらえることを繰り返す。これを学習過程と見ることもできる。センゲ(Peter Senge)2)たちは,そのシステムのもつ時間的変化の特性をモデル化することで,システムの問題状況を把握できるとして,そのモデル化の手段として因果ループ図を提案した。システムの問題を解決するには,原因除去によるのではなく,システムを変えなければならない。システム思考によって,システムを変えるための有効な作用点(レバレッジ,leverage)を発見できる。システムダイナミクス,ソフトシステムズ方法論,因果ループ図を参照のこと。
参考文献
- G. M. Weinberg: An Introduction to General Systems Thinking, John Wiley & Sons Inc. (1975). 松田武彦監訳,増田伸爾訳:一般システム思考入門,紀伊國屋書店 (1979).
- Senge, P.: The Fifth Discipline, Doubleday Business (1990). 守部信之訳:最強組織の法則,徳間書店 (1995).
最終更新日
- 2019.12.01.
- 児玉公信 (編集委員会編)