情報システムの所有者の役割
ジョウホウシステムノショユウシャノヤクワリ
Roles of owner of information systems
概要
情報システムの所有者が果たすべき機能と責任の表現。
説明
情報システムの所有者(施主)が果たすべき役割は二つある。責任はこれらを全うすることである。第一に,情報システムが対象とする業務プロセス中で,どのように使われるか(すなわち,建築学で言う「用美強」の「用」)を述べることである。所有者は,情報システムの要求仕様を述べる必要はなく,所有者と設計者との間で議論した設計結果について合意する。このような合意内容を「原要求」と呼ぶ。設計内容について,所有者は絶対権限を有する。自分以外のステークホルダの意見は,所有者が集約すべきである。第二は,エンドユーザに働きかけて,情報システムを利用して効果を発揮させることである。情報システムはユーザの慣習や業務形態の変更を強いることになるので,暗黙的あるいは明示的な抵抗を招くことも少なくない。所有者は,このような抵抗を和らげ,効果を得るための努力を払う必要がある。効果をさらに高めるために,部分的に情報システムの改変を計画するのも所有者の責任であるとする。情報システムのステークホルダ,情報システムの所有者,所有者の期待と原要求を参照のこと。
最終更新日
- 2019.12.01.
- 児玉公信 (編集委員会編)