根底定義
コンテイテイギ
Root definition
概要
Purposeful Activity Model(「思いの活動」のモデル)の一つの形式であり,セブン・ステージモデルの第3ステージ(関連システムの根底定義)で用いられる。
説明
このモデルは,人々が問題的と捉えている現実世界のある状況に関連して何ごとかを為そうとする「思いの活動」(Purposeful Activity)を表現するモデルであり,人々の間に「思いの活動」について整合的な議論を活性化させるために用いられるモデルである。したがってこのモデルは,現実世界を表現する時に用いられるモデル(should be model やas is model)とは異なるタイプのモデルである。根底定義は,SSM(Soft Systems Methodology)で扱う問題状況に関わる人々が各自の「思いの活動」を表現し,本音の討議で互いの「思いの活動」を共有する過程での気づきから,各自の異なる世界観を同居させられる一つの「思いの活動」をグループとして見いだすというアコモデーションの討議に用いられる。「(Z)・・・するために,(Y)・・・することによって,(X)・・・するシステム」の形式である根底定義は,アコモデーションのプロセスに参加する人々に整合的な議論を促すと同時に,「思いの活動」を表現するための道具である。根底定義の「思いの活動」の表現をたどることで,後からアコモデーションのプロセスを振り返ることができるため,根底定義を用いて「思いの活動」を表現しておくことは,SSMの学問的基準である回復可能性を担保するために重要である。
最終更新日
- 2019.12.01.
- 鈴木聡 (編集委員会編)