要求の規模計測
ヨウキュウノキボケイソク
Size estimation of requirements
概要
システム開発の早期段階(上流)において,機能要求に基づいて規模を指標化する活動,またはその指標値。
説明
情報システム開発では,ライフサイクルの各プロセスの開始前に,それ以降の開発費用の推定を行い,投資判断を行う。システムライフサイクルプロセスでいう利害関係者要求定義プロセスや,要求分析プロセスなどの“上流”工程では,実装に関わる設計がなされておらず,LOC(Lines of Code)のように投資額の推定に直接つながるような指標を採用できない。このため,ISO/IEC 14143でいう機能規模計測(Functional Size Measurement)のような機能要求の規模を表す指標を採用することがある。機能規模の指標は,機能要求のみの規模であって,非機能要求を反映していないため,金額や工数に直接換算できない。しかし,発注者と受注者の間での機能要求のベースラインの確認と,契約後の要求変更の明示化に有用である。IT投資マネジメントを参照のこと。
参考文献
- ISO/IEC 14143-1:2007 Software measurement — Functional size measurement — Part 1: Definition of concepts.
- JIS X 0135-1:2010 ソフトウェア測定―機能規模測定―第1部:概念の定義.
- ISO/IEC 20926:2009 Software and systems engineering — Software measurement — IFPUG functional size measurement method (2009).
- JIS X 0142:2010 ソフトウェア技術―機能規模測定―IFPUG機能規模測定手法(IFPUG4.1版未調整ファンクションポイント)計測マニュアル.
最終更新日
- 2019.12.01.
- 児玉公信 (編集委員会編)