文化財の情報システム
ブンカザイノジョウホウシステム
Information systems on cultural assets
概要
人類の文化的活動によって生み出された有形・無形の文化財を保存,伝承し,多様な鑑賞を可能とするシステムのこと。
説明
経年劣化を避けられない文化財保存の課題を解決し,時間的・地理的制約を越えた新しい鑑賞形態を実現するための手段として,文化財のディジタルアーカイブ化が進みつつある。アーカイブの過程では,高精細ディジタル複製のみならず,退色,欠損した文化財の復元も行われる。蓄積された文化財データは,メタデータの公開によって国内外横断的に検索できる。また,ミュージアムのガイド支援や,バーチャルリアリティによる仮想体験など,多様なミュージアム鑑賞にも活用される。将来的には,超高精細映像技術や超臨場感コミュニケーション技術等の開発によって,ミュージアムに直接来館できない高齢者や障害者,遠隔地に居住する人々が,実物見学と同等の感動を得られる本格的なディジタルミュージアムの実現が期待される。そのためには,アーカイブ利活用における著作者の権利保護問題を避けては通れない。
最終更新日
- 2019.12.01.
- 阿部昭博 (編集委員会編)