農業支援システム
ノウギョウシエンシステム
Agricultural management support system
概要
農作業に役立つデータと知識を提供する仕組み
説明
農業支援システムとは,農作業に役立つデータや知識を提供する仕組みであり,広義には行政支援なども含む。農作業には,播種や収穫などの物理作業と,品種の選択や作業計画などの情報処理作業がある。農産物を生産するためには,ほ場(畑)条件,作物品種の特性,利用できる技術群,農業者の動機,条例や市場アクセスなどの地域システムという5大技術要素をうまく組み立てる必要がある。農作業判断のアルゴリズムからみれば,定形知と推論知を組み合わせながら判断文脈を構成する作業になる。たとえば,除草作業を判断する場合,注目する畑の雑草(作物以外の植物)の存否,作物生育への影響の強弱,農薬使用の可否,登録農薬の存否,気象条件の良否,作業日時の可否,機械使用の可否,作業人員の存否,隣接畑の制約の存否,産地方針の有無,効果判定法の選択などの11項目の組み合わせ2^11=2048通りの中から,短時間に一つを選ぶ作業になる。
参考文献
- McCown R. L. :New thinking about farmer decision makers, The Farmer’s Decision, Ed. J. L. Hatfield, Soil and Water Conservation Society, pp.11-44 (2005).
- 澁澤栄:ICT 利用で精密農業が身近になる,情報処理,Vol.58,No.9, pp.4-7 (2017).
関連項目
最終更新日
- 2019.12.01.
- 澁澤栄 (編集委員会編)