電力システム

デンリョクシステム

Electric power system

概要

電力の発生，輸送，消費に関わるさまざまな設備が一体化したシステム。

説明

電力システムは，水力・火力・原子力などの発電設備と，送電線・変電所・配電線などの流通設備，ならびに給電や障害発生時の保護・制御などを行う運用制御システムで構成される。わが国では，10電力会社が各々一括した管理・運用を行っていたが，近年，電力システム改革のもとで，それぞれ発電事業者，一般送配電事業者，小売電気事業者に分割された。このうち電気の品質の維持や，安全性・信頼性を保つための電力システム全体の運用制御は一般送配電事業者が担っている。すなわち，発電事業者と小売電気事業者間の電力託送に加え，システム全体で供給不足が生じた場合に発電事業者から不足分の調達を行うなど，周波数維持のための需給調整を行っている。また，落雷などによる障害発生時には，送電線の接続ルート切り替えなどにより，停電区間・時間の極小化を図っている。なお，近年の太陽光発電，風力発電の大量導入により，余剰電力の調整など新たな対応策が必要になっている。

参考文献

1. (一社)電気学会編: 電気工学ハンドブック(第7版), オーム社 (2013)．