ISディジタル辞典-重要用語の基礎知識-第二版

送変電システム

ソウヘンデンシステム

Electric power transmission and transformation system

概要

電力システムの中で,発電所から消費地までの電力の輸送とそれに必要な電圧の変換を行うシステム。

説明

水力,火力,原子力などの発電所からの電力は,送電線により消費地域に送られる。送電線電圧は,電流によるジュール熱損を抑えるため,極力高く設定される。この電圧の変成は変電所の変圧器で行われ,わが国では,発電所近接の変電所で最大50万Vまで昇圧され送電される。次いで需要地域近傍の変電所で,15万V,6万Vなどに順次降圧され,鉄道,大規模工場や,商業,住宅地域などの配電用変電所に供給される。各変電所は,相互バックアップのため,複数の送電線の集合・分岐点になっており,送電線障害発生時に,当該送電線を切り離して安全確保や機器保護を図るとともに,別の送電線への切り替えなどにより供給を速やかに復旧させる。その他,送電線の電圧調整装置などが備えられている。これらの制御は,変電所の監視制御システムにより自動で行われている。近年,太陽光発電,風力発電の大量導入により,送電線容量不足などへの新たな対応策が必要になっている。

参考文献

  1. (一社)電気学会編: 電気工学ハンドブック(第7版), オーム社 (2013).