ISディジタル辞典-重要用語の基礎知識-第二版

資材調達システム

シザイチョウタツシステム

Material procurement system

概要

コンピュータなどを利用して企業などで製品の製造に必要な材料を仕入れる業務を実現する情報システム

説明

製品の製造では資材調達部門が生産計画に従って必要な資材(部品などの材料)を調達(仕入れ)する。この業務を情報システムとして実現したものが資材調達システムである。製造部門では調達した資材を加工・組み立てして製品を生産する。販売部門では製品の注文を受けると在庫を確認して,物流を通して注文先に出荷・販売する。これらのプロセスは,従来,生産計画,資材調達,生産管理,在庫管理,物流など個々の情報システムから成り立つ。これらの資材の調達から製造,流通,販売にいたるまでの一連のプロセスを総合的に管理する情報システムSCM(Supply Chain Management)である。SCMは生産計画,調達計画を柔軟に変更できることにより,部品や製品の在庫の削減,品切れの防止,注文から配達までの時間(ターンアラウンドタイム)の短縮,売掛から回収までの期間短縮などの効果が期待できる。SCMは一企業,企業グループにとどまらず,必要な情報を公開し,他企業との連携を強めることで,さらなる効率化とコスト削減を図ることができる。

参考文献

  1. 神沼靖子,大場みち子,山口琢 ほか: 情報マネジメント (未来へつなぐデジタルシリーズ),共立出版 (2019).