利用時品質
リヨウジヒンシツ
Quality in use
概要
システム利用時の品質モデルおよび品質特性を体系化したもの。
説明
近年,ソフトウェア製品を含むコンピュータシステムは個人やビジネスなど幅広く利用され,社会に無くてはならない存在となっている。従って,個人やビジネスの成功,安定した社会基盤の確立に向けて,高品質なコンピュータシステムの実現が不可欠となっている。また,コンピュータシステムは利用者にとって,価値を与え,潜在的に存在するリスクを回避できることが不可欠である。システム利用時の品質特性は,これらの社会的要請に基づいて,コンピュータシステムに求められる利用時の品質目標と評価のための品質モデルおよび品質特性を利用者の視点から定義したものである。利用者は利用時の品質特性の視点からシステムに対する利用時の品質要求を定義し,導入後に評価することにより,システム導入の目的が達成できる。一方,開発者はシステムに対する利用時の品質を実現することによって,システムの開発目標を達成することができる。利用時の品質特性の評価では妥当性の確認された測定量および測定手法を使用して測定し,評価することが重要である。利用時の品質モデルはJIS_25010:2013に,利用時の品質測定法はJIS_X25022に,それぞれ規定されているが,技術革新や社会情勢の変化に対応するために,日本主導で現在,ISO/IEC JTC1/SC7 WG6および国内対応委員会で見直しが進められている。
参考文献
- JIS X 25000:2017 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-SQuaREの指針.
- ISO/IEC 25000:2014,Systems and software engineering-Systems and software Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)-Guide to SQuaRE.
- JIS X 25010:2013 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル.
- JIS X 25021:2014 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-品質測定量要素.
- JIS X 25022:2019 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)―利用時品質の測定利用時の品質の測定.
最終更新日
- 2019.12.01.
- 江崎和博 (編集委員会編)