イネーブリングシステム
イネーブリングシステム
Enabling systems
概要
対象システムの運用に不可欠である補助システム。
説明
イネーブリングシステムはライフサイクル全体を通して必要な場合や,一部のライフサイクルステージにのみ必要な場合がある。また,多くの場合は運用中のシステムには直接的には寄与しない。イネーブリングシステムの例には,共同開発システム,生産システム,物流サポートシステム,訓練システム,保守システムなどがある。自動車の製造を例にとると,車体の組立工場,修理工場,リサイクル工場などがこれに相当する。イネーブリングシステムと対象システムの関係性は,両方のシステムが相互に作用する場合と,対象システムがイネーブリングシステムから必要は時に必要なサービスを受ける場合とがある。対象システムのライフサイクルのいずれかの段階で,対象システムと必要なイネーブリングシステムを検討することが必要である。実際の現場では,システムの開発をする段階でイネ―ブリングシステムを考慮していないことが多く,このことがライフサイクル全体を通して対象システムの開発に重大な問題を引き起こす危険がある。
参考文献
- INCOSE: Systems Engineering Handbook: A Guide for System Life Cycle Processes and Activities, 4th ed., John Wiley and Sons, Inc, (2015).
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA),技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(SEC): 共通フレームワーク2013 (2013).
最終更新日
- 2019.12.01.
- 嶋津恵子 (編集委員会編)