運用環境
ウンヨウカンキョウ
Operating environment
概要
システムの構成要素には含まれないが,システム運用へ直接影響を与えうるもの。
説明
運用環境は,context(コンテキスト)とも呼ばれる。システムは特定の運用環境で動作するように設計される。システムを外部から見ることで,システムに含まれないものを定義し,運用環境として特定する。 特に電子機器などの製品のシステムは,温度や湿度の条件を考慮している。製品によっては,UV照射,放射線,磁力,粉塵,振動などの条件も考慮する必要がある。その他,ソフトウェアの場合はコンピュータシステム上で並行して動作するソフトウェア群が運用環境に相当する。これらの条件の許容範囲は,システム要求をもとに決定される。システムが完成したら,特定の運用環境で試験し,システムの信頼性及び可用性を評価する必要がある。通常,システムの機能はシステムとそれが動作する環境,特にユーザがどのように相互作用するかという観点から特定されていく。運用環境のほかにも開発上,技術上,ビジネス上,組織上,政治上,経済上などのシステムの環境がある。
参考文献
- INCOSE: Systems Engineering Handbook: A Guide for System Life Cycle Processes and Activities, 4th ed., John Wiley and Sons, Inc. (2015).
- ISO,IEEE:ISO/IEC/IEEE 24765:2010 (2010).
最終更新日
- 2019.12.01.
- 嶋津恵子 (編集委員会編)