ライフサイクルステージ
ライフサイクルステージ
Life cycle stages
概要
時系列に複数の段階や期間に分解したシステムの状態遷移。
説明
人工的に作られたすべてのシステムにはライフサイクルがあり,コンセプトの形成,実現化,製品化,利用,支援,廃棄といったライフサイクルステージが存在する。ステークホルダのconcern(関心事)は,設計やそれらの実装,運用などライフサイクルを通して常に生じる。これらを効率的な方法で満たすために,システムのライフサイクルが定義される。任意のライフサイクルステージを定義し,”decision gate”で,次のステージに移行できるか否かを判断する。システム開発の現場では,ライフサイクルステージは必ずしも時系列で連続しているわけではなく,あるステージが終了する前に次のステージが始まることもある。いずれにしても,ステークホルダのニーズを早期の段階,特にコンセプトの形成の段階で考慮することが必要である。具体的には,環境問題への意識の高まりもあり,廃棄の段を早期に焦点を当て検討を開始する必要がある。また,システムの要求事項を明確化するまでの段階で不具合があると,出来上がったシステムがシステムの要求を満たしてはいるが,本来の目的を満たさないという事態が生じる。これを避けるために,適切なシステムまたはシステム要素で構築されているかの検証(Verification)だけでなく,ライフサイクルステージの適切なタイミングで,”validation”を実施する必要がある。
参考文献
- The BKCASE Governing Board:Guide to the Systems Engineering Body of Knowledge(SEBoK) version 1.9.1 (2018).
- INCOSE: Systems Engineering Handbook: A Guide for System Life Cycle Processes and Activities, 4th ed., John Wiley and Sons, Inc. (2015).
関連項目
最終更新日
- 2019.12.01.
- 嶋津恵子 (編集委員会編)