ISディジタル辞典-重要用語の基礎知識-第二版

反復型プロセス

ハンプクガタプロセス

Iterative-Development process

概要

一連のプロセス群を複数回反復して行う開発手法。

説明

反復型プロセスによる開発は,対象システムの要求が開始時点で不明確な時や,ステークホルダが対象システムに新しい要素を入れたいと求めた時に使用される。まず,事前に特定した仮定に基づいて,候補となる対象システムが作成され,それがステークホルダのニーズや対象システムの要求を満たしているかを検証する。満たしていない場合は,再び同じプロセスが開始され,より発展した対象システムが作成される。このようにして作成された対象システムが,ニーズや要求を満たしていると判断されるまで,対象システムの開発プロセスを反復する。反復型プロセスでは,継続的にステークホルダやシステム要求の検証を実施するため,想定できるリスクの軽減や不具合の早期発見に役立つ。しかし,方向性の変わりやすいステークホルダであったり,リアクティブなプロジェクトに適用すると,混沌としたプロジェクトになる可能性がある。反復型プロセスは,スパイラル型モデルやアジャイル型開発に取り入れられている。従来のウォーターフォール型プロセスでは,一つの工程が完了してから次の工程へ進む手順をとる。これにより,進捗の把握やリソースの管理が容易である。その反面で,下流工程で問題が発見された場合に致命的な出戻りが発生する可能性がある。プロジェクトの規模,アーキテクチャ,開発メンバーのスキルなどを考慮して,適用するプロセスを決定する必要がある。

参考文献

  1. INCOSE: Systems Engineering Handbook: A Guide for System Life Cycle Processes and Activities, 4th ed., John Wiley and Sons, Inc. (2015).
  2. The BKCASE Governing Board:Guide to the Systems Engineering Body of Knowledge(SEBoK) version 1.9.1 (2018).