システムズエンジニアリング
システムズエンジニアリング
Systems engineering
概要
システムを成功裏に実現し,現場導入と目標通りの成果を得るための学際的な手法。
説明
システムズエンジニアリングの特徴として,学際的であること,反復的手法を用いること,社会的側面および技術的側面の双方を考慮すること,一部分でなく全体に着目することが挙げられる。反復的手法はそのプロセスを進める中で,システム全体と構成要素との関係をより理解することができるため,創発特性のようにあらかじめ想定しておくことが困難なシステム設計上の特性も,よりよい方向に是正していくことが可能になる。つまり,システムズエンジニアリングはシステムの一部分ではなく,システム全体としてバランスをとった設計と利用をすることに集中した手法だといえる。より具体的には,開発初期にはすべての利用者やステークホルダの社会的もしくは技術的ニーズを理解し,機能要求を特定することに注力する。そしてそれを反映したシステム設計と妥当性評価は,システムの運用,コスト,スケジュール,性能,利用者のトレーニングおよび支援,試験,製造,廃棄といったライフサイクル全体のあらゆる側面を考慮しつつ実施する。常に全体を見通すことで,すべてのニーズを満足するシステムを最適な形で実現することができる。特に,ここで言うシステムとは,ハードウェア,ソフトウェア,情報,組織,社会,人間などの相互に作用しあう要素を組み合わせたものことである。システムズエンジニアリングの標準には,ISO/IEC15288,ANSI/EIA632,IEEE1220などがある。また,モデルを用いて進めるシステムズエンジニアリングのことをMBSEという。
参考文献
- INCOSE: Systems Engineering Handbook: A Guide for System Life Cycle Processes and Activities, 4th ed., John Wiley and Sons, Inc. (2015).
関連項目
システムライフサイクルプロセス,複雑性と煩雑性
最終更新日
- 2019.12.01.
- 嶋津恵子 (編集委員会編)