システムオブシステムズ
システムオブシステムズ
System of systems
概要
ライフサイクルの異なる複数のシステム群が統合されているシステム。
説明
システムオブシステムズを構成する各システムは,管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されている。一方これら各システムは,システムオブシステムズの目的達成のためにシステムオブシステムズの構成要素として機能している時でも,そのシステム単体の本来の目的達成のために用意されたリソースを用いて,システム単体の本来の方法で管理される。構成する各システムの管理方針や操作方法がそれぞれ独立して設計されていない場合,システムオブシステムズとはみなされない。システムオブシステムズ型のシステムを用いることで,各システム単独では達成できない成果を得ることができる。例えば,デジタルカメラとパーソナルコンピュータとプリンタを統合したものが,システムオブシステムズの例として挙げられる。これら3つの要素はそれぞれ個別のシステムとして設計されており目的を別にしている。一方,これらを統合しシステムを実現すると新たなサービスを提供することができる。システムを設計する際には,単体のシステムとして構成するのか,システムオブシステムズとして構成するのかは,解決したい問題や課題に適した方を採用する。システムオブシステムズの特徴としては管理や操作が独立していることのほかに,地理的に分布していること,システムを組み合わせたことで構成するシステムにはない振る舞い(創発特性)を示すこと,段階的開発プロセスが採られることがある。創発特性は複雑なシステム群で構成されるシステムオブシステムズで特によく見られ,これが安全性を脅かす場合などには問題となる。
参考文献
- INCOSE: Systems Engineering Handbook: A Guide for System Life Cycle Processes and Activities, 4th ed., John Wiley and Sons, Inc. (2015).
関連項目
最終更新日
- 2019.12.01.
- 嶋津恵子 (編集委員会編)