対象システム
タイショウシステム
System of interest
概要
構造がまだ不明確であり,ライフサイクルを検討中である対象。
説明
解決したい課題があり,それをどのようなシステムを導入して解決するかが決定されていない時,その問題対象を対象システムと呼ぶ。対象システムにはアーキテクチャが存在するが,ここでいうアーキテクチャは,対象システムと外界との関係であるシステムコンテキストや,システム要素候補とそれらの間の関係を指す。この作業の結果,対象システムのスコープの特定になる。コンセプトの形成をする段階では,この作業のほかに,システムズアーキテクチャを構築する作業がある。この作業は,ステークホルダを構造的に識別する作業から開始する。ステークホルダには,システムの使用者,操作者,所有者,開発者,設置者,メンテナンス者などがある。多くの現場では,この段階で探索的な研究活動を行い,新しいアイデアや技術を創出することが多い。この成果は,システムとして構造化する作業に貢献する。システムズエンジニアリングプロセスでは,対象システムに関してライフサイクル全体を見渡しながら要求分析を行い,最適なアーキテクチャを特定することが重要であるとされている。
参考文献
- The BKCASE Governing Board:Guide to the Systems Engineering Body of Knowledge(SEBoK) version 1.9.1 (2018).
- INCOSE: Systems Engineering Handbook: A Guide for System Life Cycle Processes and Activities, 4th ed., John Wiley and Sons, Inc. (2015).
最終更新日
- 2019.12.01.
- 嶋津恵子 (編集委員会編)