情報システムの開発パラダイム
ジョウホウシステムノカイハツパラダイム
Development paradigm for information system
定義
情報システム分野において,ある時代に多くの人に共有され支配的な規範として機能した物の見方や捉え方のこと。
説明
パラダイム概念の含意は多面的で複雑であるが,ここでは「ある限られた分野の限られた時代に支配的規範となる物の捉え方」という考えに倣っている。情報システム開発のアプローチは,情報システムの対象分野によって異なるため,それらのパラダイム間では互いの考え方が相容れない場合がある。また,情報システムには人間が含まれることから,技術的な視点と社会的な視点とを併せ持っている。このためにパラダイムシフトが起きて,時には現状を打破するような異なる枠組みへと急激な変化を遂げることもある。たとえば,Hirschheim, R.とKlein, H.K.による“情報システム開発の4つのパラダイム(機能主義,社会的相対主義,革新的構造主義,新人道主義)”の理論では,情報システム開発を哲学的・社会学的に分析しており,情報システム研究の一枠組みともなっている。
文献
- Hirshheim,R. and Klein,H.K.: Four Paradigms of Information Systems Development, Comm. ACM, Vol.32, No.10, pp.1199-1216 (1989).
最終更新日
- 編集委員会 編 (2012.04.01.)
- 神沼靖子