アコモデーション
アコモデーション
Accommodation
定義
問題状況に関わる人々の間で,各自が問題状況について感じていること(Purposeful Activity:「思いの活動」)を議論し,その過程での気づきから異なる世界観を同居させられる「思いの活動」を共有して,「何の問題か」を合意する時の合意のプロセス(合意の仕方)。
説明
英和辞典におけるアコモデーションなる語の意味は「宿舎」である。英国では合意や折り合いをつけるという場合に使われた経緯から,SSMにおけるこのような合意のプロセスに当てられた。アコモデーションは,ディベートによって世界観を戦わせて取捨選択し,完全に一致できる部分だけを選択して「何が問題か」を合意する時などに用いられる合意の仕方であるコンセンサスとは根本的に異なる。したがって,アコモデーションがソフトなシステム思考に対応する合意の仕方であり,コンセンサスがハードなシステム思考に対応する。
セブン・ステージモデルの第3ステージおいて,問題状況に関わる人々をメンバとするグループが,根底定義のXYZ表現を用いて議論しながらグループで納得できる「思いの活動」を見いだしていく時の合意は,様々な「思いの活動」を特定の基準で取捨選択して基準に合った「思いの活動」を選ぶという合意ではなく,アコモデーションであることが求められる。グループ討議でアコモデーションを目指すには,グループメンバが問題状況についての「思いの活動」を実感に基づいて本音で議論し合い,互いの「思いの活動」の違いから気づき,その気づきを基にメンバが腑に落ちる「思いの活動」を見いだす議論のプロセスが必要になる。
最終更新日
- 編集委員会 編 (2012.04.01.)
- 鈴木聡