ISディジタル辞典-重要用語の基礎知識-

ソフトウェアライフサイクルプロセス

ソフトウェアライフサイクルプロセス

Software Lifecycle Process

定義

ソフトウェアのライフサイクルに関するプロセスの枠組。

説明

JIS X0160:1996は,ISO/IEC 12207:1995(Information technology – Software life cycle process)に対応して,ソフトウェアの構想から廃棄にいたるまでの共通のプロセスを包括的に定義している。

ライフサイクルプロセスは,5つの主ライフサイクルプロセス(取得,供給,開発,運用,保守)と8つの支援プロセス(文書化,構成管理,品質保証,検証,妥当性確認,共同レビュー,監査,問題解決),4つの組織に関するプロセス(管理,環境整備,改善,教育訓練)からなる。取得プロセスでは,取得者が提案依頼書(RFP)を提示し,契約し,供給者を監視し,製品を受け入れるまでの活動内容を規定している。供給プロセスでは,供給者が提案書を作成し,契約,計画立案,実行管理,レビューおよび評価,納入するまでの活動内容を規定している。

JIS X0160:1996/AMENDMENT1:2007は,ISO/IEC 12207の2002年,2004年の2つのAmendment,ほかの関連標準の改訂を受けて,付属書Fで各プロセスの成果を具体的に述べた。また,教育訓練プロセスを人的資源管理プロセスに名称変更した。

ISO/IEC 12207:2008(Systems and software engineering — Software life cycle processes)では,ISO/IEC 15288(Systems and software engineering — System life cycle processes)との関係を整理した。すなわち,ソフトウェアライフサイクルプロセスはシステムライフサイクルプロセスのインスタンスであるとし,そのいくつかのプロセスについて,ソフトウェアに特有の補正を加えている。たとえば,ソフトウェア実装プロセス(実装,要求分析,アーキテクチャ設計,詳細設計,構築,統合,検収)を規定し,再利用プロセス(ドメインエンジニアリング,再利用資産管理,再利用プログラム保守),ソフトウェアの支援プロセスを規定した。

文献

  1. ISO/IEC 12207:2008 Systems and software engineering — Software life cycle processes
  2. JIS X0160:1996 ソフトウェアライフサイクルプロセス
  3. JIS X0160:1996/AMENDMENT1:2007 ソフトウェアライフサイクルプロセス(追補1)